MRP完全ガイド：資材所要量計画について知っておくべきポイント
第4回「MRP導入事例のご紹介」
今回はMRP（資材所要量計画）の導入事例について触れていきます。MRPに限らず、システム導入においては他社事例やインテグレータの実力を測る上で事例調査が必要となります。本記事では、当社が長年タイのお客様に提供してきたMRPソリューションの導入事例についてご紹介したいと思います。
第6章: MRP導入の事例（当社事例のご紹介）
成功事例紹介: タイでのMRP導入成功事例
ケース1:
マニュアル作業の手間とコストを大幅削減 - カスタマイズで業務に完全フィットしたシステム導入
導入企業様の業態: 食品加工メーカー
導入システム名: Flex（生産管理フレームワーク）
導入の背景
Flex導入前にもERPを導入していたものの、お客様の業務に合ったシステムではなかったためシステムを使いこなせていませんでした。そのため手作業や重複作業が発生しており、生産実績データが正確でなかったり、リアルタイムにデータを見ることができていませんでした。その結果、コストが正確に把握できず、毎月多大な使途不明金が発生していました。そこで、お客様の業務にしっかり合ったシステム導入を行うため、まずはCSIにて現状分析を実施しました。
現状分析では、各部署からの課題を全て洗い出し、システム導入によりどのように課題解決をしていくか長期計画を立て、システム選定を行いました。その結果、Flexの柔軟なカスタマイズやインターフェースに対応している点が業務にシステムを合わせたいお客様のニーズに合っていたため、Flexが選ばれました。
導入について、導入後のメリット
生産実績データを正確に把握、見える化するために、Flexの生産管理モジュールに加えてQC管理、設備管理、会計、経営管理など周辺機能を含むカスタマイズ開発・導入を行いました。数年に渡る大規模なプロジェクトでしたが、段階的に導入を行うことで確実な運用の定着を図りました。導入後はリアルタイムに正確な実績データが把握できるようになり、在庫データが見えるようになったことでムダな在庫や発注を減らし、その結果1番の課題であった使途不明金を大幅に削減することができました。
ケース2:
エクセル管理を廃止し業務効率化を実現 – データに基づいた経営判断が可能に
導入企業様の業態: 精密機械部品加工、精密機械組み立て
導入システム名: Factory-ONE GL（生産管理システム）、Tri-C（工程スケジューラー）
導入の背景
Factory-ONE GL、Tri-C導入前に使用していた生産管理システムが多品種少量生産であるお客様のスタイルに合っておらず、システムがうまく稼働していませんでした。そのため、システムを導入しているのにも関わらずExcel管理が必要で、データの重複管理が発生したり、データの精度が良くなかったり、業務効率化ができていなかった事が課題でした。
既存システムリプレイスにあたり、自社の生産スタイルに合うこと、タイ語でサポートが受けられることが決め手となりFactory-ONE GL、Tri-Cの導入を決めました。
導入後のメリット
Factory-ONE GL、Tri-Cの導入後、Excel管理を廃止できたことでデータの重複管理がなくなり、一元管理することが可能になりました。その結果、正確なデータが蓄積できるようになり、データに基づいた経営判断が可能になりました。
ケース3:
マスターデータや生産計画プロセスを標準化し脱属人化 – ヒューマンエラーと作業時間の削減
導入企業様の業態: 金属加工
導入システム名: Flex（生産管理フレームワーク）、Asprova（生産スケジューラー）
導入の背景
生産計画をエクセルで行っており時間がかかってしまうことに課題がありました。
エクセル管理が多かったことでマスターデータが整備されておらず、同じデータでもエクセル毎に表記方法が異なっている等、ヒューマンエラーも少なくありませんでした。生産計画は製造工程の要になることから、システムを導入するのであれば生産管理全体をきっちり管理できるようにしたい、との想いで生産管理システム、生産スケジューラーの導入に至りました。
導入後のメリット
システムを導入することで、マスターデータや生産計画プロセスを標準化されました。またエクセルを廃止したことで入力ミスや手間が削減できました。
成功の秘訣: 成功要因とその背景
MRPシステムの導入が成功するためには、いくつかの要因が重要です。以下に成功の要因とその背景を紹介します。
トップマネジメントのサポート
成功した企業では、トップマネジメントがMRP導入を強力にサポートしていました。経営層の理解と支援があることで、プロジェクトの推進力が高まり、現場の従業員の協力も得やすくなります。
徹底した現状分析
導入前に徹底した現状分析を行い、具体的な課題を明確にしました。これにより、MRPシステムが解決すべき問題を正確に特定し、適切なソリューションを提供することができました。
継続的な教育とトレーニング
成功した企業は、MRPシステム導入後も継続的な教育とトレーニングを実施していました。従業員がシステムを十分に理解し、効果的に活用できるようにすることで、システムの効果を最大限に引き出しています。
課題と解決策: 導入時に直面した課題とその解決策
MRPシステムの導入には、さまざまな課題が伴います。ここでは、導入時に直面した主な課題とその解決策を紹介します。
課題1: データの整備不足
導入初期にはデータの整備不足が問題となることが多いです。正確なデータがなければMRPシステムは効果を発揮
しません。
解決策
導入前にデータの整備を徹底的に行い、正確なBOMや在庫データを入力するようにします。また、データの定期的な更新と管理体制の確立が重要です。
課題2: 従業員の抵抗
新しいシステムの導入に対して従業員が抵抗を示すことがあります。特に、現場の従業員が新しいシステムの操作に慣れるまでには時間がかかることが多いです。
解決策
導入前から従業員への教育とトレーニングを実施し、システムの利点を理解してもらうことが重要です。また、従業員の意見を取り入れながらシステムのカスタマイズを行い、使いやすい環境を整えます。
課題3: システムのカスタマイズ
企業ごとに異なる業務プロセスに合わせたシステムのカスタマイズが必要です。標準機能だけでは対応できない場合があります。
解決策
ベンダーとの密なコミュニケーションを通じて必要なカスタマイズを行います。柔軟なシステム設定を行い、現場のニーズに対応できるようにします。
当社ではMRPの選定から導入、運用後の定着まですべての活動において皆様のサポートをし続けます。現在システム導入について悩まれている方、導入検討を始めたいけどうまくいくか心配な方、ぜひ一度当社にご相談ください。
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弊社では、MRPシステムの導入支援やカスタマイズサービスを提供しています。ご興味のある方は、こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
